当時のまんまではなくて、2023年のファッションとして洗練され、進化しているスタイリングだなと感じました。モード感、上品さのあるセットアップに、デコレーションネイルや大ぶりのアクセサリーを合わせたり。普段の自分が好きな世界観にもフィットしましたし、大人が遊ぶ、という感覚を楽しませていただいた気がします。バービーピンクは、私服でもよく選ぶカラーなんです。可愛いし、気分も上がるし、あまり考えずナチュラルに着ている気がします。ミニスカートは、今回久しぶりに着てみて、なんだか爽快な気分になりました。自分の人生一度きりだし、ミニはきたかったらはけばいいなって、心が軽くなった気がします。パワフルな装いをしている子を見るとこちらも元気をもらえるので、みんなどんどん好きな格好を楽しんでほしいです！

パワーがあってすごくいいなって思います。見ていても楽しいし、実際にY2Kのアイテムを身につけるのも楽しいです。自分にとって2000年代のファッションやカルチャーは、新鮮ではなく、懐かしいもの。それは、最近のY2Kのファッションをリアルタイムで楽しんでいる若い子とは違う感覚なんだろうなって思います。10代の頃にどんぴしゃで見ていた景色なので、それを懐かしむ感覚が来るとは思っていませんでした。ああ、自分も大人になったんだなあって（笑）。それに、2000年代に周りの大人たちが「懐かしい」と言っていたファッションやカルチャーもあったから、いつの時代もブームが巡っていることを実感します。

パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンの空港ファッションがすごく印象に残っています。ジューシークチュールのジャージを着て、エルメスのカバンを持って、ケータイはラインストーンでデコっていて。当時、私はそこに熱狂していたわけではないけど、テレビや雑誌などで当たり前のように触れてきたものだなあって。あとは、マライア・キャリーとか、ブリトニー・スピアーズもそうだし、日本だとあゆ（浜崎あゆみ）とか。時代を象徴する、アイコンのような歌姫がたくさん活躍していましたよね。あゆの広告が渋谷をジャックしていた景色なんかも、強烈に覚えています。世代としては少し上の先輩たちがメインでしたが、ギャル文化もすごいエネルギーでしたね。学校が渋谷にあったので、思い切り、あの時代の渋谷の景色を見てきました。109のカリスマ店員が健在だった頃です。友だちはギャルメイクを練習したり、ルーズソックスを身につけていたんだけど、私はなかなか似合わなくて。学校の帰り道は、友だちと渋谷駅に向かって歩きながら、シュークリームを買って食べるのが楽しみでした。

大人になれば、周りの目を気にして生きるのは必然的なことだと思うし、負わなきゃいけない責任はどうしてもありますよね。日々のお仕事でも、生活をしていても、自分はこうしたい、という理想に辿り着けない現実もあります。でも最近、自分の時間を過ごすときくらいは、自分の声に素直に従って行動してみようかな、と思うようになりました。してみたい格好をしたり、未経験のスポーツに挑戦してみたり、刺激になることをやってみる。大人だからってブレーキをかけずに、何かを突破してみると、新しい視界が開けると思うんです。2023年は、仕事でもプライベートでも、「こうした方が喜ばれそう、こっちの方が安パイ」という暗黙のルールや思い込みを取っ払って行動をする1年にしたいです。去年の暮れにそんな思いが沸々と湧いてきまして。自分の勘を研ぎ澄ませたときに、心が動く方へ進みたいです。